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研究内容

顧客間の交渉・協調による生産スケジューリング手法に関する研究
顧客間の交渉を模した組合せオークションを用いた日程計画の立案手法を提案する. 顧客が自身のニーズを表現し,顧客間で交渉を行い意見の調整を行うための枠組みとして組合せオークションを用いる. 顧客は自身が発注した製品の製造に必要なリソースの組合せに対して入札を行う. 入札は部分的なスケジュールに相当する, オークションの主催者である製造拠点が勝者とする入札を選択することで計画が立案される. 入札者が入札する財の組合せを変更しながら組合せオークションを繰り返すことで,目的関数値の改善を図る. 顧客は入札した財に自身のフェロモンを添加し,顧客間でフェロモン分布を共有することで協調を図る.

顧客間の交渉・協調の概念図


マスカスタマイゼーションの実現を目指すオークション型生産スケジューリング手法に関する研究
近年,テーラメイドやカスタムメイドにより多様なユーザニーズに対応しつつ, 量産品と同程度の価格と生産効率を両立させるマスカスタマイゼーションが注目されており, それらを実現するための生産スケジューリング手法が求められている. そこで,受注生産型のランニングシューズを対象とし,長期的なスケジュールを作成する“計画段階”では組合せオークション, 受注オーダの追加に対応する“運用段階”ではシングルオークションを適用した生産スケジューリング手法の提案を行い, マスカスタマイゼーションの実現に向け有用な日程計画立案を目指す.

テーラーメイド設計・生産システムの概念図


複数の意思決定者の価値判断を考慮した生産スケジューリングに関する研究
生産現場では通常,納期や稼働率など様々な事柄を考慮し,複数の計画立案者による調整を通じて生産計画を策定している. 本研究ではその現状を踏まえ,納期遅れ,残業及び外注コスト,メイクスパンを それぞれ評価指標に持つ3種類の意思決定者を想定したモデルを対象とする. 複数財の配分に有効とされる組合せオークションを用いて,機械割当・作業者割当・作業開始時刻を同時に決定し, 全ての意思決定者の評価指標の基準を満たす生産計画を策定する.

複数の意思決定者の価値判断を考慮したスケジューリング立案に関する概念図


A robust optimization approach and characteristic analysis
for two echelon distribution network with demand uncertainty
A mathematical model is developed to minimize total cost which consists of four type of cost in two-echelon supply network with product plants, distribution centers and retailers. Demand from retailers are assumed to be uncertain, Robust optimization approach which assume uncertainty belongs to bounded interval is applied to cope with the uncertain problem. Characteristic analysis is performed and its effectiveness is discussed.

生産現場,配送センター,小売店をつなぐ二階層配送ネットワーク


生産システムにおける単純ベイズ法を用いたサイバー攻撃による異常検知に関する研究
今後、社会全体でIoT化が進めば進むほど,ネットワークを経由する情報量は膨大なものになります. 増加するサイバー攻撃は,サイバー攻撃は高度化・巧妙化している上に,大量の個人情報や技術情報の流出,システムの稼働停止など, 経営上の大きな脅威となっています.本研究では,生産システムにおける制御系装置へのサイバー攻撃を対象として, フォルトシグネチャに基づいた単純ベイズ法による異常検知手法を提案しています.

サイバー攻撃の例


セル生産方式システムにおける人的要因を考慮した最適化手法
セル生産システムにおいても自動化・ロボット化の波が押し寄せる中, 依然として労働集約型のセル生産システムは製造業の重要な位置にある.労働集約型セルは,作 業者の技能が生産性に大きく依存するため,作業者の効果的な技能教育が求められる.一方で, 作業者を多能工化するためにはよりきめ細かな教育計画が必要となる.本研究では,作業者の技 能向上に主眼を置いた配置計画の最適化を提案する.

セル生産システムにおける人的要因を考慮した最適化過程


搬送を考慮した生産スケジューリング問題に対するラグランジュ分解・調整法の適用
 フレキシブル生産システムなどでは,製品の加工装置間の搬送を如何に 効率的に行うかも重要な課題となっている.そこで装置間に搬送作業を含む生産システムに対してラ グランジュ分解・調整法とヒューリスティックによる解法を提案し,より高効率な搬送の実現とスケ ジューリングの最適化を目指す.

搬送を考慮した生産スケジューリング


製販一体型のグローバル生産システムに対する組合せオークションの適用
 生産形態のグローバル化に伴い,製造拠点と販売拠点が世界中に散在する 企業が増えている.その中で全ての拠点が利益を確保できる最適なスケジューリング手法として,組合 せオークションに着目し,生産スケジュールの最適化を行っている.

グローバル生産システムの構成


自動倉庫の最適運用手法
 近年の物流システムの効率的な運用の重要性の高まりから自動倉庫システム の導入が一般的となっている.また,設備コスト削減,大規模化を受けて棚の奥行きを考慮したダブル ディープ型が注目を集めている.そこで,複数の財を効率的に配分することができる組合せオークション という手法を用いて,ダブルディープ型自動倉庫に対して保管場所と入出庫スケジュールを同時に最適化 することを目的としている.

組合せオークションによる自動倉庫の最適運用手法


半導体テスト工程を対象とした超並列計算による最適スケジュールの高速求解
 近年半導体製造において,ICチップの高集積化や多品種化により出荷前の動作 テスト工程の難しさが増加している.本研究ではロット編成されたICチップを数千個あるテスタへ効率良く 配分することにより,テスト工程の最適スケジューリングの導出を目指す.実規模でのスケジュールを最適 化する場合,計算量が非常に大きくなるが,超並列計算により解を高速に求めることを本研究の目標とする.

半導体テスト工程の超並列最適化スケジューリング


ロット編成と段取り替えを考慮したコスト最小化スケジューリング
 ロット編成を有する生産システムでは,ロット編成の決定,使用機械の決定, 処理順序の決定と多様で異質な決定の局面がある.またこうした工場では多くの「付帯・調整作業」を伴い 生産コスト増加の要因となっている.そこで本研究ではロット編成や段取り替えを考慮したスケジューリン グの最適化によりコスト最小化を目指す.

ラグランジュ分解調整法による工程分解スケジューリング


実仮想融合型生産システム
 実システム(生産現場)と仮想システム(計算機シミュレーション)を融合し, 生産システムの環境変動に対する柔軟性と効率性を有する実仮想融合型生産システムの構築を目指す.物理 空間におけるモデルプラントを用いてシステム構築を行っている.

実仮想融合型生産スケジューリング


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