本企画調査の内容
外食産業等の有形財を生産し顧客へ提供するサービス産業を対象に、店舗顧客の購買行動の構造を行動観察手法にて計測する共に、売り場構成および顧客への生
産情報提供環境下におけるサービス機能との関連性を調査し、サービス品質向上に向けた顧客の主観的効用の解析を行う。また製販一体型の情報循環実現の準備
として、得られた解析結果を利用し、サービス生産システム構築に向けたサービス設計論やサービス計画・運用論、サービス生産論等との関連性についても調査
を実施する。具体的には、以下の項目について企画調査を実施する。
- サービス提供現場フィールド調査(於 がんこフードサービス)
- サービス提供現場である店舗内において、行動観察による接客サービスやサービス品質などの人間系要素に関するフィールド調査を行
う。
情報提示実験(於 がんこフードサービス)
- 店頭にデジタルサイネージを設置し、顧客へ製品・製造に関する情報を提示する。情報提示前後での顧客行動の変化を比較・解析す
る。
他業種へのアンケート調査
- 外食産業以外の接客サービス業を対象としたアンケートによる聞き取り調査を行い、提案手法の汎用性と他業種への適用可能性につい
て検証する。
設計論・計画論・生産論の具体化調査
- フィールド調査、情報提示実験の結果を受けたサービス設計論やサービス計画・運用論、サービス生産論を実現するための方法論に関
する具体的調査・解析を行い、サービス生産システム構築を目指した検討を実施する。
- サービス生
産システム理論構築に向けて
- サービス(無形財)と製品(有形財)をサービス提供プロセスとして捉え直し、
消費者の満足と生産・提供者の利益、公共的利益を最大化する生産理論の確立を目指す
- 受給者視点・モデルを陽に導入したシステム最適化技術
- 静的な最適性よりも動的な適応性が重要
- 変動への即応性を頑健性を備えた最適化手法 ― 生物学、社会に倣った手法:進化・学習・群知能
- 消費者・コミュニティのモデリング技術
- 消費者個人の満足度のモデル
- 消費者間の相互作用の考慮
- 情報の不完全性、ネットワーク外部性、限定合理性の考慮 ― エージェントベースシミュレーションの利用
- がんこフー
ドサービスとの取り組み
- がんこフードサービスのセントラルキッチン・工場を対象に計画・運用システム構築
- 豆腐工場を対象としたシミュレータを作成
- 生産結果を定量的に評価可能(物流・コスト指標)
- 仮説の検証(プロダクトミックス、フロアレイアウトなど)
- 評価指標をもとにした最適化
公開シンポジウム
- 公開シンポジウムを開催す
るととも
に、関連国内外の学会によるサービス生産システム実現の方法論に関する討論を行う。
まとめ・研究開発プロジェクト提案書作成へ
- 企画調査で明らかになった内容について、公開シンポジウムや学会オーガナイズドセッション、論文、報告書等により成果を
公開する
とともに、研究開発プロジェクト提案書を作成する。